ちょこあんぱんの日記

すきなことをすきに書く、それだけ。

【コヒとモンステラ】




だいすきだった大嫌いなものたちも


だいきらいだった大好きなものたちも




いつかと

これからは


キラキラした言葉



かつてと

今まではは


過ぎ去った言葉






ほっと落ち着きたい。


ホッとしたい。



ヤカンに水を入れて火をつける。



しばらくの間待って、できたよの合図で

カップにインスタントコヒの粉をティースプーンでふわっと掬ってサラサラと落とし込んだ。

熱々のお湯を注ぎ入れる、ゆっくりゆっくりと。




焦らないで

香りの芳しさが鼻を突くから。

焦らないで

顔に上がってくる湯気でほんわかした気持ちになるから。





コヒ見て、

焦らないでいこうね

コヒ見て、

地盤は今なくなってしまったけど



またどこか置かれた場所で咲けばいい。





何度でも何度でも咲けばいい。


それでも私は咲けないなら、


蕾のままだって、それでいい。




蕾のまま色んなものに触れて葉脈から順々に堆肥と日光を浴びればいい。



太陽に当てると透けてしまいそうに薄くて

おぼつかない私の葉っぱも


目の前に降る雨は触れられる。

雨粒が葉に触れて、葉の筋を伝って土に流れ落ちるから




ひと粒ひと粒、

取りこぼさないように

ひと粒ひと粒、

丁寧に扱って

日常を慈しむ。




ままならない存在だから、

まだまだ蔦も短く天までは茫漠とした距離

と時間が横たわるから。




拙い存在だから、

訥々とおぼつかない指先で物事の表面を丁寧になぞるだけ。




葉の葉脈を感じて、

土の湿り気と匂いを感じて、

花が咲くのをいつかいつかと心待ちに待ってれば


いつの間にかその瞬間は訪れてるものだから。




見えない未来の底なしの闇に

飲まれるだけが人生じゃない




見えない不確かさを面白いと感じれば

しばらくの間下を見なくても歩ける気がする



心に沁み渡るホットドリンクは、

いつだってこの着地点の分からない旅にそっと寄り添ってくれる相棒で、

いつだってこの安心感と温もりを提供してくれることだろう。





だから、




コヒ見て、もう少しゆっくりでいいよって

コヒ見て、暫く休憩しようねって






語りかけてくれたカップに湧き立つ湯気と

部屋の片隅で静かに葉を揺らすモンステラ




カップが空になったらひと眠りして

喉に落ちて溶けていくコヒの温度を

身体に慣らそうね


身体に慣らして



身も心もほぐれたら進もうね




面接も新しい職場も新しい仲間も

またいちから作ろうね



暖かく朗らかな思い出に浸って

シロップ漬け。





あまいあまい夢見心地。





襲ってきた悲しみが隣り合わせで歩幅を合わせて一緒に歩いてきても、私の歩幅に合わせさせて踏んづけて、自分の足元に並走してる影に馴染ませてしまおう。